イギリスで徒然草(旧・ランカスター日記)

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留学総括(1)

ずいぶん間が空いてしまいました。なんとか生きてます。

今は仕事量がとても少ないので、12月にあるランカスターの卒業式に行けることに
なりました。夫とも会えるし、うれしいな!

ということで、つらつらと考えた、留学を通した今の気持ちを書き綴ってみようかなと。

イギリスに来たことで、人生についてよく考えました。
そして価値観が変わり、いろいろなものから自由になりました

「博士論文を書くこと」が至上命題であり、周りもそれを目指す学生だらけで、
究極的にはその一点のみが自分が評価される面であったこと。
ほかに何が出来ても、友達がたくさんいても、おしゃれをしていても、
課外活動で活躍していても、肝心の論文が進んでいなければ
「あの人、一体なにやってんの?」と思われる。

そんな環境だったので、もともと外にバリバリ出る方ではありませんでしたが
真の引きこもりとなり、周りの目を気にしなくなりました。
まず田舎だからおしゃれな人は少ないし、学内では誰も人の服装なんて気にしてません。
もともと化粧も嫌いでしたし、お金もなかったし。

それから、お金がないので、買うものをよく検討するようになりました。
論文を書く上での思考が鍛えられたこともあって、情報の吟味をし、
リサーチをするようになりました。
ニュース記事もそうですし、広告なんかもそうです。
統計のこともずいぶん勉強しましたし、統計解釈の落とし穴にも慎重になりました。
たぶん、この先もナントカ製法で開発されたとか、
よく知られていない成分を持ち出してすごい薬効をうたう新化粧品や食品には
手を出さないと思います。
裏づけとして、納得できる学術記事が出版されていない限りは。

博士3年目に入って、論文の道筋が見えて、研究楽しいなと心から思えるまで、
「こんなんでいいんだろうか」という意識はどこかにずっとあって、
辛いときがありました。
研究者の卵として研究を楽しむ自分と、
なんというか、まだ「俗世」に未練がある自分がいたから。

「俗世」というと言葉が悪いですが、研究以外の世界のことです。
自分がずーーっと学生でいる間、立派に社会人をしている日本の姉弟や
友人たちの近況を聞いたり、たまに日本に帰れば女性はとっても綺麗でおしゃれで
いろいろなことを頑張っていて、いいなあ、とうらやましく思うことがたくさんありました。

でも、博士論文が終わってみて、静かな充足感
自分の中に芽生えているのを実感します。

博士論文で調べられることなんて、広い宇宙の中で
ほんの針先の一目をきざむようなものですが、
それでもその一点においては、自分にしかできない研究をし、
他の誰よりも深く思考した、という事実は揺るぎのないものです。

その意味でこの充足感は絶対であり、決して奪われることのない、
私だけのもの
です。これを得て初めて、
ああ、博士号とってよかった、と本心から言えるようになったと思います。

あとは、我慢強くなりましたし、多様性をより広く受け入れられるようになった
と思います。イギリスが日本に比べてのんびりしていて、
多様性に寛容な国だからです。
「あ~こんなこともありなんだ~」「まあしょうがないかー」と
いろいろなことに関して思えるようになった気がします。

東京に住んでいた頃のように、電車が2分くらい遅れたって
大したことないじゃない、そんなに急いでも結局
目的地に着く時間の差なんて5分もないよ、とか。
ゆるゆるのイギリスによく立腹もしましたが、同時に鍛えられたんですね(笑)

考えてみれば、物心ついてからずっと「競争」「効率」「間違わない」を意識して
緊張して、できない自分をずっと否定して焦って生きてきたような気がしますが、
ゆるいイギリスと、さぼりながらもなんとか博士論文を書き上げられたことで
「もういいや」と思えるようになった。・・・のかな。たぶん。

ちゃんと逃げずに頑張れたから、ようやく自己肯定ができるようになった。
これは私にとっては大収穫です。

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コメントコメント


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> その意味でこの充足感は絶対であり、決して奪われることのない、私だけのものです。

ここにとても共感しました。幸福が(外部に依存することなく)自分の内側にあるということだと理解しましたが、最も確実に幸せになれる方法はこの思考法を取ることではないかとここ数年は考えています。外部よりも自分の行為等の方がコントロールが効くので。全く的外れでしたらすみません。

mrkm-a | URL | 2011年11月06日(Sun)04:37 [EDIT]


mrkm君、まさにそのとおりだよ!「幸せは自分の心が決める」というのはこのことか、と思ったよ。

外部ではなく自分のほうが変えやすいけど、自分が求めているものも見つけるまでわからなかったりするから難しいよね。

蘭華 | URL | 2011年11月09日(Wed)11:43 [EDIT]


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| | 2011年11月30日(Wed)12:06 [EDIT]


 
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