イギリスで徒然草(旧・ランカスター日記)

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イギリス医療事情

その後、見た目最悪だけど保温機能最高!(゜∀゜)な自作コタツのおかげで
膀胱炎も再発しないまま、ひたすらカタカタ書きつづける日々を送っています。
新年になってからしばらくは不安でしたが、一安心です。

さて、その1、その2にも少し書きましたが
ここらへんでイギリスの医療事情を整理してお届けしたいと思います。

イギリスの公共医療を管轄しているのは
National Health Service(NHS)と呼ばれる
国営のサービスです。
スコットランドなどでは、NHS Scotlandなどと地方の名前がつくそうですが
私のいるイングランドではただNHSと呼ばれます。

基本的に診療は無料です。
日本のように、国の財源と利用者の負担分が50%ずつでまかなわれているのではなく、
イギリスでは約80%の医療費が国庫負担です。

利用者がお金を払うのは、薬を処方されて
薬局で薬を買うときの薬代のみです。
たとえば、抗生物質3日分で7ポンド10ペンス
(今の為替なら900円程度)。

面白いことに、薬代は、日本のように
「処方量(日数)が増えれば値段も上がる」のではなく、
1日分でも1週間でも値段は同じ」なのです。
処方箋1枚でいくら、という計算。
なんでだろう。なんだかずさんな気もしますが・・・。

そんな背景も手伝ってか、抗生物質はできるだけ少ない量を処方するよう
医師たちに通達が行っているようです。
私が患った膀胱炎は、日本であれば抗生物質が1週間、
腎盂炎は1週間~10日ほどは処方されるようですが
こちらでは膀胱炎3日分、腎盂炎5日分しか
処方されませんでした。
(とても親切に見てくれた医者3は、腎盂炎の抗生物質を出すとき
NHS通達のシートを見て、「あら、本当は一週間出したいけど
5日分って書いてあるわ」と確かめていました)

そのかわり(?)、錠剤はデカイです。カプセルもです。
いい大人でも、喉に詰まるんじゃないかって思うくらいです。
頭痛薬や解熱剤などの市販薬でも
日本の2倍の量が一粒に入っていたりするので
日数よりも実際の量で勝負!!ということなのかもしれません。
まぁ、量は多くても、私の最初の膀胱炎の治りは芳しくなかった
わけですが・・・
やっぱり日本がいいです・・・。


NHSのサービスを受けるためには、住んでいるところから
徒歩圏内にある家庭医(General Practitioner(GP))を
かかりつけ医として選択し、医師または診療所に登録を済ませます。
6ヶ月以上滞在する、ビザ有の学生も登録し、サービスを利用することができます。

ランカスターでは、留学生は大学内にある診療所に登録するだけなので
かかりつけ医を選択するプロセスもなく、
自分のかかりつけ医が誰ということになっているのかわからないままですが。

診療を受けたい場合には、まず診療所に電話をして予約をします。

その日中になんとしても診てもらいたいときは、
「緊急予約」としてねじこんでもらいますが、医師は指定できません。
また、医師を指定すると、ヘタすると二週間待ちになります。

この、待ち時間の長さがNHSの最大の弱点といえます。
NHSは、これをなんとかしようと
「予約の電話から1日以内には看護士に、
3日以内には医師に診てもらえるようにする」という方針を打ち上げていますが
やはり、医師を指定すると待ち時間は長く、
長く診てもらっていて、信頼する医師に診て欲しい場合でも
予約を近日中に取るということは困難を極めます。

私は、初期の膀胱炎が治らずに何度か緊急予約を取ったとき、
3人の別の先生に診てもらうことになりました。
このとき、「医師を選ぶってのは大事なことなんだ・・・」と実感しました。

だって、最初の人はインド系の男性。
膀胱炎なんてはじめてかかったし、英語の語彙もそれを説明するだけの
ものを使い慣れてないです。しかももろにおシモ系・・・

しかも、最悪なことに、膀胱炎ぽい症状は性病の可能性もあるとか
いわれまして、検査を受けなさいと言われ、その場で検査予約・・・。
まったく心当たりがない、心外すぎる(゜д゜#)」と思ったけれど
初見の医師にそれを主張しても仕方ないので
ちゃんと素直に受けましたよ。性病検査を後日。はーやれやれ。

いやーいくら蘭華が20代後半でもやっぱり女として
男性医師とは英語でこんなやりとりは居心地が悪すぎて無理、と思いました。。。

医者2は女性で、わりとはきはきと診断・処方してくれましたが
電子カルテで致命的(まさにですよ・・・)なミスコミュニケーションを招いた人
でしたし・・・

腎盂炎になってから出会った医者3は、「これからもこの人についてく!!」と
思えた、とても優しく的確なアドバイスをくれる人でした。
今回死にそうな思いをしたけど
この人に会えてよかった、少なくともこの先ランカスターにいる間は大丈夫だ、
と思えました。

ほんとに医者選びは大事です。
まずはかかってみないと何もわからないわけですが、
やっぱり

・疑問点をきちんと説明してくれるか
・誠実な対応をされていると感じられるか
・自分が症状を相談するとき、リラックスして全てを伝えられるか

がキーではないかと思います。

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海外で暮らすということ~腎盂炎までの経過2

(前回からの続き)
尿培養の検査結果は、診療所受付に電話して聞くことができるということで
電話して聞いたら、「菌がいたかいないか(=抗生物質を飲むべきか否か)」ではなく
ただ、She's on the right treatment. とだけ書いてあった医者のメモ。

これを、
水をたくさん飲んで、トイレにたくさん行くという措置は正しい。
(=菌はいなかった。よって抗生物質は飲まなくて良い)」
と解釈した私。

検査結果を聞いたのが月曜日。
それから、残尿感などは多少ありましたが、特に顕著な悪化などを経験せずに
ただ水分をとりまくり、夜もトイレに半ば無理やり起きながら
金曜まで過ごしました。

異変が起こったのは金曜の夜中、というか土曜の朝3時。
突然の寒気、歯の根が合わないほどの悪寒。
毛布の中にもぐりこんで震えている間に、
ぐんぐん熱が上がっていくのがわかるほど、劇的な変化でした。

市販の解熱剤をどんなに飲んでも良く効かない有様。
土日は医者はやっていないし、インフルエンザか悪質な風邪かと
最初は思っていたので、救急車を呼ぶことも考えず
2日間、体の痛みと高熱と時々の吐き気に苦しみながらなんとか耐えました。

そして月曜日、ふらふらの状態で診療所に
「ものすごい高熱に悩まされています」と症状を伝えて
緊急予約で医者にかかりました。
これがまた違う医者(医者3)だったのですが、私の電子カルテで
膀胱炎の病歴を見てから、簡易尿検査をして菌がいることを確認、
私の両わき腹を大きくねじって
「痛い?」と聞き、左側が痛いと答えると、あっさりと
「インフルエンザじゃないですね。膀胱炎の病歴もあるし
(受付から「高熱が出た」と聞いていたので)
そうではないかと思っていましたが、腎臓が炎症を起こしています。」と診断。

強い抗生物質を処方されて帰宅したのち、腎臓の炎症と膀胱炎の関連を
ネットで調べまくりました。そして日本語の病名、腎盂炎がやっとわかりました。
そこで初めて、「えっ、膀胱炎が正しく処置されないと腎盂炎になるんだ」ということがわかり、
じゃああの医者のメモはどういうことだったんだ?と疑問に。

そこで、今までかかったイギリスの医者の中で一番信頼できると感じた
医者3に、後日改めて

「医者2にはこう言われて、だから大丈夫だと思って水飲んでたくさんトイレ行っていたのに
どうして腎盂炎までなってしまったんでしょうか?これ以上どうすれば防げたのですか?」と
半分ケンカ腰で尋ねました。

医者3はそれを聞いて驚き、また心底私に同情しながら

・ 医者2は"She's on the right treatment."の発言で、「抗生物質が処方してあるから
(それを飲めば)大丈夫
」を意味していたようだ、ということ

・ このことは非常に不運なミスコミュニケーションの招いた結果であること

を説明してくれました。

聞いた私、まさに(゜д゜)ポカーン状態。

だってですよ、

問題:She's on the right treatment.

私訳:今とっている措置(=水をたくさん飲んでトイレにたくさん行く)は正しい →大間違い

医者2訳:(抗生物質が処方してあるから、処方箋を薬に代えて飲めば)正しく処置済み →正解


ってことなんですよ。
ミスコミュニケーション・・・だけど・・・命に関わるミスコミュニケーションなんですけど・・・


脱力しました。
それから、いろんなことに憤りを覚え、そして後悔しました。

医者2がもっとわかりやすいメモを残しておいてくれさえすれば!医者のくせに!とか、
なんで受付に電話して結果を聞いて、「なんか変だな、よくわからないな」と思ったときに
医者に代わってくれるよう主張しなかったんだろう、とか、
受付嬢が看護師でさえない、医療知識のなにもない一般人なんだってことを
知っていさえすれば、とか、
膀胱炎が悪くなるとどうなるかちゃんともっと調べておくべきだった、とか、
土日の間、むしろ救急車呼んでもいいくらい重篤な病気だったんだ、
我慢するべきじゃなかった、とか、

とにかくぐちゃぐちゃと考え、そして、外国に暮らすというのは
こういうことなのだ
、と、初めて恐怖を覚えました。

医療システムの仕組みがいまいちよくわからない、
救急車を呼んで良い基準?みたいなものもよくわからない
医療従事者のポジションも日本と違う、
薬が合わずに再発する、
言葉が違って症状を説明するのが大変、
言葉がわかっているつもりでも、
医療をとりまくいろいろなことを知らないばかりに
命の危険に陥りかねない。

医療システムがもっとよくわかっていて、自分の母語で話ができる
日本で膀胱炎にかかっていたら、こんなことは起こり得なかったと思うと
やりきれない気持ちでした。
今まで英語で何の不自由もなく暮らしてきたと思っていただけに
ショックも大きかったです。
どこに放り出されても、適応して生きていけるさーと思っていたのが
最近は「そうでもないかも・・・」という心境です。

とはいえ、あと二年くらいは帰国するわけにいかないので、
やっぱり元気で過ごせるよう普段から睡眠・栄養状態に気をつけて、
そして冷えないように自衛策を取るしかありません。

今も修羅場中ですが、もう少し食生活に気をつけて、よく寝て、
冷やさないように生活しています。
そうしているうちに、膀胱炎の再発なども経験せずに
少しずつ、外国で暮らすことに対する恐怖も薄れていけばいいなぁと
思っています。

ということで、健康は何物にも代えがたい、ということを
身をもって実感しました。

今、外国に留学中の人、またはこれから行こうと思っている人、
体調にだけは気をつけてください。
どんなに着膨れたりしてカッコ悪かろうがいいんです。
病気になった苦しみを誰かが代わってくれるわけじゃありませんから。
そして、何か変だと思ったら、医者にかかって、それでも何か不明瞭な点があったら
とことん追求するようにしてください。
めんどくさい外国人と思われたっていいんです。
クレーマーバンザイです。

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海外で生活するということ ~腎盂炎までの経過その1

年明けの検査で、もう菌はいないと診断を受けて一安心の蘭華です。
でも胃の許容量は普段よりまだ少なく、疲れやすいのは変わらないので
まだ完璧に全快!というわけではなさそうです。

腎臓を患ったのもそうですが、そのために抗生物質を長期間飲んだせいで
おかしくなった胃と体の回復のほうが大変だったかもしれません。
健康ってありがたいですね。

腎盂炎になったのはもちろん、膀胱炎を患ったこともこれまでなかったので、
外国で、初めて患う深刻な病気になったということ自体が
恐ろしかったです。
生まれて初めて、外国に暮らすことを恐怖しました。

今回、膀胱炎がはかばかしく治らず腎臓までいってしまった原因は、
私とこちらの医院のミスコミュニケーションでした。

イギリスでは、国の提供する医療サービスNHS(National Health System)に
登録していれば、NHS管轄の病院や医院の診察はすべて無料です。
(私立病院ももちろんありますが、これは有料、高額です)
基本的に、留学生は全員NHSに登録することになっているので
留学生でも医療費は無料です。
社会保障番号を持たない人はすべて自費のアメリカとは大きく違うところですね。
こちらでかかるのは、処方箋を薬局に出して薬を買うときの薬代のみ。

ちなみに、薬代も日本のように処方量に比例するのではなく、
「この薬なら、何日分出ても一律○ポンド」と決まっています。
変なシステムだなぁと思いますが・・・


医療費が無料であるかわりに、
近くの医院で特定の医者(かかりつけ医)に予約を入れるとなると
2週間ほど待つのはザラです。

しかし、すべての人が2週間も待てるわけではないので
そういう人のために、「緊急予約」受付があり、
これを利用すると基本的に1~2日のうちに医者にかかれます。
緊急予約では、当然のことながら医院の中でも診てくれる医者を選べず、
医者の予約がとれないときは看護師に診てもらうこともあります。
こちらでは、医院で働く看護師の仕事の範囲が広いといえるでしょう。

私は、11月はじめに膀胱炎の諸症状を呈し始めたとき
この緊急予約を利用し、医者の予約はとれなかったので
まずは看護師にかかりました。
問診と簡単な尿検査のあと、
「まず間違いなく膀胱炎ね」と言われ、
「今医者に伝えて処方箋出してもらってくるから
待っててね」と、抗生物質を3日分処方してもらいました。

この処方システムも「そんなんでいいんだー・・・」と思いましたが

その場では単なる簡易尿検査だけでしたが、結果が出るのに数日かかる
本格的な尿培養の検査で、後日本当に膀胱炎であったことが
裏付けられました。
ちなみに、尿検査に限らず、数日かかる検査結果は、
医院の受付に電話して尋ねることができます。

私はこのことを、便利でいいなぁと思いました。
これがあとで命取りになることにまったく気づかずに。



さて、指示通りに3日間抗生物質を服用しましたが、
残尿感が消えず、「治っていないのでは?」と疑心暗鬼になり、
再度、緊急予約で医者1(インド人、男)にかかって
別の抗生物質を再び処方してもらいました。

このときの簡単な尿検査では何も異常が出なかったため
医者1は「水をたくさん飲んで、尿培養の検査結果が出るまで
様子を見たほうがいいのでは」と
抗生物質を出すのを渋っていましたが
ちょうど次の週末に学会があったので、
「そんなにトイレに頻繁に行けないし、悪化したら困るし
検査結果が出るまで待てない」と主張して
処方箋をゲット。

無事に学会も終わりましたが、まだ残尿感は残っていて
悪化したような感じがしたので、またまた緊急予約で
医者2(イギリス人、女)にかかりました。

不安を相談しましたが、彼女が言うには
前回の培養検査(学会前に出したもの)では
菌は見つからなかった
とのこと。
残尿感は、最初の膀胱炎で尿道がダメージを受けていて
敏感になっているだけかもしれないから、
回はちゃんと培養の検査結果を待ちましょう、と言われました。

指示としては、たくさん水を飲んでたくさんトイレに行くこと。
これはずっとやっていたことでしたが、続けるようにということです。

ただ、検査結果を聞くのも土日をはさむので、もし症状が悪化したら
大変だから、と抗生物質の処方箋だけは出してくれました。
処方箋があれば、土曜日でも開いている薬局に行って
薬を手に入れることができるからです。
念のための措置でした。

このとき、さっさと処方箋を出して抗生物質を飲んでおくべきだったのです。

残尿感はしつこく残っていましたが、とりあえず指示通りに
水をたくさん飲んでトイレに行って、土日を過ごしました。

そして週明けに、医院の受付に電話して
検査結果を聞いたときのことです。

受付嬢は、私の生年月日と名前を聞いて電子カルテを呼び出し、
医者2が書いてくれているはずの検査結果とその後の処置についての
コメントを読みあげてくれます。
そこには、

"She is on the right treatment."

とありました。

えっ?どーいうこと?
菌はいたの?いなかったの?
抗生物質を服用するべきなの?しなくていいの?


受付嬢に聞きますが、「それについては何も書いてありません。」と
言われるだけ。

そこで楽観的な私は考えました。

on the right treatmentなんだから、
たくさん水を飲んでトイレに行ってるってのが正しいってことなんだろう
菌はいなかったんだ
抗生物質は必要ないに違いない、と。

結局、この判断は大間違いだったことが、
後日の激烈な腎盂炎の症状をもって判明します。


この時点で、受付嬢ではなく、電子カルテを正しく読める医者に、
だれでもいいから電話を代わってくれ、と主張するべきだったのです。

(その2に続く)

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