
ひとつ前のエントリーに書いた不安は、日本で博士課程に進んだときから
ありましたが、こちらに来て3年目に入ったことで、より切実に身近に感じられる
ようになり、弱気になること多々です。
でも、落ち着いて考えてみれば、日本で博士課程に進んだときは、
「就職はやっぱりまだしたくない、勉強が好きだと思う」
と思い、修士の間やっていた高校講師の職を辞したのでした。
高校講師の仕事は大変だったけど、すごく楽しくて、生徒に送別会まで
やってもらって、泣く泣く去ったんだった、あの時も大事な何かを
失くしてしまった気がして悲しかった。
二年経ってやっと何かがつかめてきたのに、ここで辞めていったいなにを
しようとしているのか?と不安でした。
日本での博論のテーマ、なんとなく決めたはいいけど方法論どうすんの?
というところで忙しさにかまけてほっぽり、他の人の役に立ってる!と感じることで
自分の存在意義を確認していたような頃も、やっぱり不安でした。
留学前は、慣れ親しんだ大学、家族、仕事仲間、友人、恋人と離れるので
寂しくて不安だったし、
こっちに来てから一年目も指導教員どーなんの!で不安だったし、
二年目は病気もしたしアップグレードできんのか?!で不安だったし・・・
単なる心配しすぎ、な面もあるのでしょうけれども・・・人生で
不安から抜け出せる日なんてないのかもしれません。
結局不安があるから頑張るのかもしれません。
なかったら直ちにただの怠け者に成り下がりそうです、蘭華。
今は今で、無事にアップグレードもして、本データもとって、
今度は評価者リクルートとネイティブデータの取得がうまくいくかの不安。
そして就職の不安。
んー、考えてみたら、不安は不安でも
とりあえず着実に進んでるじゃん、と思ったら、少し笑えました。
しかし、アレですね。
人間の欲って底なしですね。
私の今の状態は、たとえば私が4年前あたりにものすごーく夢見ていた状態なのに、
現実に手に入ってしまうと、やっぱりその位置からさらに上を見始めてしまう。
上を見始めたらキリがなく、すごい人の能力値はまさに天井知らずなので
結局、「ああ自分にはこれが足りない、あれがない、不安!!!」と思い始めて・・・
という、悪循環。
なんだか、自分は自分を追い込み足りないんじゃないか、とか思い始めて
自己嫌悪にも。
足るを知る。
が、今の課題かもしれません。
現状にちゃんと満足する。で、向上すべきところはもっと頑張る。
そして満足できるくらい頑張ったら、あとは運を天にまかせる。
のかな。
ふーむ。。
・・・とか、もんもんと考えてる間に
今週末締め切りの論文を書いたほうがいいよ私(@∀@)


時の流れは早いもので、渡英して丸二年が経ちました。
イギリスに来て、自分が変わったなぁと思うのは…
・我慢強くなった。(「非効率」に対して諦めの境地に至った?)
・打たれ強くなった。
・「まず自分で調べてみよう」という姿勢が育った。
・物欲が激減した。まあ、貧乏ですしね…。
・身綺麗にしなくなった。化粧?なにそれ食えんの?状態。
・田舎暮らしも悪くないと思えるようになった。
・外で得られる娯楽が少ないので、ますます引きこもりになった。
一言でいえば、変人街道まっしぐら。
なるほど学者という人種が変人といわれるのはこういうゆえんか、と
実感する日々。
でも正直、どうしようもないほど世間ズレするのも仕方ないライフスタイルですよ
本当に。
日本の同年代の友人は、しっかり仕事して、転職に成功したり、
昇進したり、結婚したり、子が生まれたり、家の購入を検討したり、
世の中の人が踏むであろうマイルストーンを着々と踏んでいるというのに
私ときたら…。
博士号が無事取れる頃には三十路に突入するというのに
フルタイムの仕事経験は皆無だし、
物欲が撤退せざるを得ないような切り詰め生活だし、
結婚・出産なんて光速距離の彼方にあるイベントですからね…。
こちらの博士課程に来て、もう二年も経っちゃったのかー、
早かったな、楽しかったなと思うのと同時に
この二年間でいったい人生の何を達成しただろうか、と
虚しくなるときがあります。
お金を稼がず、誰に認められるわけでもなく、
額に汗して食料をつくらず、新しい家族をつくるでなく、
何も生み出さず。
こうしている瞬間にも、「若さ」は砂のように
指の間から滑り落ちていくのに。
博士号をとっても、専門分野の仕事に就ける保証があるわけでもなく
「きっと就けるはずだ」という、なんとも心もとない思い込みのもと
進むしかない日々。
就けなかったら、ろくな職務経験もない三十路です。
救いようがないですね…
ここはさすが世界レベルの言語学部だけあって
先輩もレベル高いです。
PhD論文書いてる間に国際誌に載ってる人とか、
私は博論書くだけでいっぱいいっぱいなのに
なんでそんなにすごいのか。
どうして自分はこんなにできないのか。
この焦燥感、劣等感、孤独感、プレッシャー、涙、汗が
報われる日は来るのか。
この暗闇から抜け出せる日が来るのか。
真面目に考えると悲しくなるので、このあたりに思考が至ったら
「とりあえず研究すすめよう…」と、録音データを聞いたり
書き起こしを手直ししたり、地味な作業をします。
今は、「頑張れ」という言葉が一番聞きたくないです。
誰に言われるまでもなくよくわかっています。
頑張っていないわけじゃありません。
どれだけ頑張っても、消しようのない不安。
頼れるのは自分だけ。
でも真の敵も自分。
好きなこと(=言語に関わること)だけして生きたい!と
選んできた道ですが、生きるって難しいんだな…。


去る9月13〜16日は、私のいるランカスター大学にて
TBLTの学会がありました。二年に一回しかない学会なので、
私も取ったばかりのメインデータの半分を分析できるところまでして
発表しました。
私のテーマはスピーキングのparallel tasksについて。
そしたらなんと、聴衆の中にPeter SkehanとNoriko Iwashitaが!!(゜д゜)うわああぁぁぁ
ガクガクしながらも発表を終えて、Q&Aに入ったとたん
Skehanから矢継ぎ早に質問&コメントが。
もちろんsupportiveなコメントももらえてとてもよかったですが、
ものすごいミスを犯したことが判明しました。
私がやらかしたのは、
(1)対応のあるt検定を行って結果表示のときに効果量を出す
(2)対応のあるt検定を何度も行う際にはBonferroniで回数の修正?制限?をする
をやらなかったこと。
もう、私今すぐこの場で消えればいいのにと思いました。
心底。
(1)はまだしも、(2)はまったくもって知らなかったことで、
指摘されたときは本当に頭がまっしろになり、ろくな受け答えができなくなりました。
統計あんなに勉強したのに、しかもt検定なんて一番最初に出てくる手法なのに
なんで知らないんだろう、と心底情けないし恥ずかしいしで。
まっしろなままでQ&Aを終えたあと、来てくれていた指導教員の1人が
すぐに「よく頑張った、Bonferroniのことは心配しなくて良い、
私は彼の意見には賛成しないから」とフォローしてくれて、その場で次のスパビの
約束を取り付けてくれました。
でも、そのフォローについても
「なぜ私のデータの場合はBonferroniのadjustmentを
しなくていいのか」ということが私にはさっぱりわからないせいで
ピンとこないのも本当に情けなかった。
終わったあと、個人的に何人も「この方法やってみたら?」とか
「もうちょっとタスク同等性について話がききたい」などと
言ってきてくれる人がいて、全体的にはとても有意義だったのですが・・・
あぁまだまだ×10000なんだ、甘すぎた、と実感した学会でした。
後日、もう1人の指導教員にもこの旨を報告したら
「それはちょっと重箱の隅をつつくような指摘だな・・・。
いや、Skehanはもちろん正しいがマイナーなミスだと思うし、
修正をかけたからといって大して結果が変わったとも思えない」
と言われました。
そのときも、そうかな?そうなの??って感じで・・・
なんでこんなに自分は無知なのかと。
こういう、「何が必要なのか」「何が大事なのか」
「こういう派とこういう派があるけど、自分のデータにはどっちがいいのか」
を取捨選択できる目、そのもとになる知識、がまだまだ足りない。
私のばかーーーーー!!!!!!!!!!!
Q&Aでは、Iwashitaからも、「スピーキングテストは結局rating scalesによって採点するんだから
個別にタスクを検証したらそれは多少の差は出てくるものだ」とのご指摘。
ごもっともです。私もずっとそれが頭にあります。
タスク研究に貢献はできても、これがテスト研究になるとどんな貢献ができるんだろう?と。
Messickはvalidityの1つとして「受験者が解くときに同じプロセスを経ること」という
「本質的妥当性」を挙げていて、これは有効な反論になりえますが
これが果たして実際問題検証・実施可能なのだろうか、とか
でも「プロセスを調べました」というには、私のリサーチデザインは甘すぎる、とか
ああもういったいどこへ行こうとしているんだろう。。。
メインデータ取得は成功して、とても嬉しかったけれど
本当のPhDへの険しい道はこれからだと思います。
あまりにも長く見えます・・・。
こんなに無知なまま2年も経ってしまって、到達できるんだろうか。
到達しないなんてありえないんですけど、
今は膨大な不安に圧倒されてます。

イギリスの最大手といえる、応用言語学の学会
British Association of Applied Linguistics (BAAL)の
年次大会で発表してきました!
今回の会場は、ニューカッスル。ランカスターのさらに
北東へ行きました。あいにく雨続きで風も強く、寒かったです・・・
ニューカッスル大学は街の中心部からだいぶ近いので、
夜ごはんを外出したり、大きなショッピングモールを見に行ったりして
それも楽しかったです。
発表の内容的には、7月にやったランカスター院生学会のものと
あまり変わらないのですが、多様なコメントやフィードバックがもらえて
よかったです。
あとは、学会に出ると「みんな頑張ってるんだなぁ」とか
「この人のスライドの作り方はいいな」とか
いろいろ励みになること・勉強になることが多いので
それも良いですよね。
さて、今年の夏は、あと1つの学会発表を残すのみ。
さ来週開始なのですが、今もばりばり分析中です(汗)
が、頑張るべし。べし。
5月末に応募していた、ブリティッシュカウンシル関連の
一回こっきり支給の奨学金に受かりました!
支給額は15万円。(・∀・)
「少額」といわれる額ですが、これだけいただければ
データ収集のための帰国飛行機代が全部と、
調査協力者に払った謝礼の半分強を
まかなうことができます!
わーいわーい!
経歴書にも書く項目がひとつ増えたし、うれしいな!!